TRACK LIST

  • The signs of LOVE
  • 未来予想図
  • 未来予想図Ⅱ
  • LOVE LOVE LOVE
  • あの夏の花火 -SENKOU-HANABI VERSION
  • 三日月
  • 悲しい Kiss
  • 7月7日、晴れ
  • ねぇ
  • AGAIN
  • 何度でも
  • さぁ鐘を鳴らせ
  • あなたのように

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このアルバムができるまでTEXT BY KUNIKO YAMADA

いつものように友達と出かけた、放課後のカラオケ。歌い終えた彼女の側で、その日は友達が涙を流していた。大好きなアーティストの、大好きな曲を歌ってみただけなのに…。それはフツーの高校生だった彼女が、自分の歌で「何か」が伝わったことを初めて感じた瞬間だった。その出来事をきっかけに、彼女は歌手を志すことになる。2011年、ついにMs.OOJAとしてメジャーデビュー。彼女の人生を大きく変えた曲——それは、DREAMS COME TRUEが1999年に発表した「三日月」だった。

 そして去年。彼女は大阪万博記念公園で行われた「私だけのドリカム THE LIVE」に出演した。35,000人のオーディエンスを前に歌った「三日月」はその場にいた関係者をざわつかせ、のちに各方面で語り草になるほど圧倒的なものだった。歌い切ってステージを降りてきたMs.OOJAを、袖で見ていた中村正人氏が絶賛で迎えた。込み上げてくるものを堪えきれず、彼女はただただ号泣。中村氏からかけられる言葉の数々に、涙が止まらなかった。心の底から、歌ってきてよかったと思えた。

 それから間もなくして、スタッフはこんな相談を持ちかけた。「全曲ドリカムのカバーアルバムを作ってみませんか」。永遠の憧れであり、アーティストとしての目標でもあるドリカム。大きすぎる存在だと断られることも想定内だったが、彼女は2秒で決断した。「やりたいです」。

「ドリカムはずば抜けて難しい。それにドリカムの曲は、マサさんと美和さんの存在があってこそだというのもよくわかってるんです。だけど私は最初に「三日月」を聴いた時にどうしようもなく惹かれたあの気持ちと、実際に歌った時に自分の中で何かが爆発したようなあの感覚を信じたいし、大好きなアーティストだからこそ、自分を追い込む覚悟で挑戦したいと思ったんですよね」

 ドリカムサイドの快諾をいただき、プロジェクトは動き出した。なんと、吉田美和氏・中村正人氏公認の、前代未聞のドリカムカバーアルバム。タイトルは、「Ms.OOJAの、いちばん泣けるドリカム」に決定した。もともとドリカムの曲の中でも哀愁を感じるようなものが好きだったことと、今や彼女のライフワークとなりつつあるカバーアルバムの1枚目が「世界一泣ける女のカバーアルバム」というコンセプトだったからこそ、原点に立ち返って「私じゃなきゃ出来ないもの」を作ろうと決意したのだ。

「ドリカムの曲の魅力はたくさんあるけど、私は、言葉に出来ない感覚や感情をちゃんと言葉にしてくれてるところだと思っていて。マサさんが作る素晴らしいメロディーやアレンジもそう。「これは私のために書かれた曲かもしれない」、そんな勝手な思いが膨らむくらい共鳴できるドリカムの名 曲を歌えるのが、すごく嬉しいんです。日本を代表するビッグアーティストだし、心から尊敬しているアーティストだけど、大好きなドリカムの曲だからこそ、絶対にお2人が作ってきた作品に負けないものを作るんだって気持ちでいます。プリプロの段階から震えるほどドキドキしてたけど(笑)、今は緊張感を持ってひとつの目標に真っ直ぐ向かってる。美和さん、マサさんにも公認いただいたこのアルバムで、自分でも見たことのない自分に出会えそうな気がしています」

 言うなれば、あの日の友人の涙から始まっていたような奇跡のリスペクト・カバーアルバム「Ms.OOJAの、いちばん泣けるドリカム」。これは、デビュー7年目に突入したMs.OOJAにとっての大きな挑戦であり、DREAMS COME TRUEの楽曲を愛するシンガーとしての敬意と感謝が込められた作品だ。ドリカムの曲と共に青春時代を過ごし今を生きる人たちも、Ms.OOJAの歌がきっかけでドリカムを知った世代の人も、どうかシンプルな気持ちでプレイボタンを押してみてほしい。入口がどこにあっても、その歌に、その曲に宿る「想い」はしっかりと繋がっていることに気付くはずだ。

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